2005年02月
2005年02月24日
1不動産とお金の話 5
第3章 プロが教える住宅投資戦略!
1.マンションは、貸し易さで勝負
「居住用の不動産投資はリスクが少ない」とは言え、家賃内で買える物件すべてがそうであるというわけではない。また仕入れ価格が、相場的にただ安いからといってすぐに手を出すのは慎んだほうが良い。
マンションは、土地や事業用店舗など他の不動産に比べ、投資用として適不適の差がハッキリしている。
まず、投資家本人が「住みたくないけど、安かったから買った」という物件は投資向けとは言えない。基準を一口で言えば、自分が借りる立場となって「住みたい」と思うか、否か。
私の住む横浜市内でも、山の手の高級住宅街とされている区域から下町のドヤ街まで、またオフィス街、繁華街、工場街など地域によって生活環境に大きな違いを見せ、一定の住宅地としての評価は定まっている。
あとは個別に物件をみてからの判断である。
要は、自分が住みたくなる物件、無難なところで条件を言えば「利便性が良い」なら、貸すにしても人気が高い。人気が高ければ、ニーズが増え、賃料も高めに設定できる、こうした利回りの良い物件に投資したいもの。
単に安いという理由は裏を返せば安くしても売れない物件であり、投資物件にしても、利回りが高いという理由だけで購入する人がいるが、これも裏を返せば利回りが高くても売れない物件であることを知るべきである。
2.管理体制、長期修繕計画も決め手に!
マンションの所有に付随する、管理費と長期修繕積立金は、その物件の資産価値に大きな影響を与える。
まず管理費だが、高いか安いかで早急に判断すべきではない。管理費に対応する管理体制がどうなっているかを重視すべきだ。管理組合がしっかり機能し、メンテナンスも良く、見栄えもいいならば管理費が高めでも安心して買える。管理体制が充実していれば、資産価値は上がり、貸しやすく売りやすい。また、長期修繕積立金も購入を決断するのに際して重要なポジションを占める。
管理費と同じ様に、単に額の高い安いではなく、修繕計画はどこまで進んでいるのか、前の所有者はちゃんと積立金を収めているのか、などは購入条件の大きなポイントとして考慮すべきである。
たとえば、数年後に長期修繕計画を控えている物件ならば、それまでに前の所有者が長い間、多額の積立金を払ってきたことになる。所有者が変われば、その積立金の権利は新しい所有者に移行される。
つまり、そのマンションを購入する人は、少ない積立金で、数年後にはリニューアルされたマンションに住むことができる。
逆に、中には管理組合が組織されず、居住者が管理人役を務め、管理費が極端に安く、長期修繕積立金制度を設けていない、自主管理のマンションも少なからず存在するが、こうした物件は往々にして管理体制が悪く、計画性がなかったりする。
場合によっては、ゴミ出しや清掃なども住む人が交代で行なうようなマンションもある。そのようなマンションでは、貸し難いし売り難く、投資用としてお勧めできない。
実際、良いマンションでは、マンション全体の相場価格が下がっても、貸しやすい物件は家賃収入が下がる心配はなく、長期にわたり安定した不動産収入が得られるものである。
3.将来の最建築時を考えると、マンションは敷地持分が多い物件が有利だ
一概に全てがそうだと言うことは言えないが、敷地持分の多い物件のほうが、敷地持分の少ない物件より有利であると言える。
それは将来、共有持分の敷地を提供することで再建築に伴う負担費用をカバーできるし、また売る際も、敷地持分の広さは、専有面積にプラスアルファーで、セールスポイントの決め手となりえる。
広告チラシなどをみていると、ときには、敷地持分が多いのに、築年数だけで資産評価している掘り出し物件にあたることもある。
つまり更地評価より低い価格で売買されているような物件である。もちろん、敷地が広いだけでは掘り出し物とはいえないが、建築制限や用途地域などによっては再建築の際、有利に等価交換などによって、新築物件になってしまうこともあり得るのである。 ・・・次号に続く
1.マンションは、貸し易さで勝負
「居住用の不動産投資はリスクが少ない」とは言え、家賃内で買える物件すべてがそうであるというわけではない。また仕入れ価格が、相場的にただ安いからといってすぐに手を出すのは慎んだほうが良い。
マンションは、土地や事業用店舗など他の不動産に比べ、投資用として適不適の差がハッキリしている。
まず、投資家本人が「住みたくないけど、安かったから買った」という物件は投資向けとは言えない。基準を一口で言えば、自分が借りる立場となって「住みたい」と思うか、否か。
私の住む横浜市内でも、山の手の高級住宅街とされている区域から下町のドヤ街まで、またオフィス街、繁華街、工場街など地域によって生活環境に大きな違いを見せ、一定の住宅地としての評価は定まっている。
あとは個別に物件をみてからの判断である。
要は、自分が住みたくなる物件、無難なところで条件を言えば「利便性が良い」なら、貸すにしても人気が高い。人気が高ければ、ニーズが増え、賃料も高めに設定できる、こうした利回りの良い物件に投資したいもの。
単に安いという理由は裏を返せば安くしても売れない物件であり、投資物件にしても、利回りが高いという理由だけで購入する人がいるが、これも裏を返せば利回りが高くても売れない物件であることを知るべきである。
2.管理体制、長期修繕計画も決め手に!
マンションの所有に付随する、管理費と長期修繕積立金は、その物件の資産価値に大きな影響を与える。
まず管理費だが、高いか安いかで早急に判断すべきではない。管理費に対応する管理体制がどうなっているかを重視すべきだ。管理組合がしっかり機能し、メンテナンスも良く、見栄えもいいならば管理費が高めでも安心して買える。管理体制が充実していれば、資産価値は上がり、貸しやすく売りやすい。また、長期修繕積立金も購入を決断するのに際して重要なポジションを占める。
管理費と同じ様に、単に額の高い安いではなく、修繕計画はどこまで進んでいるのか、前の所有者はちゃんと積立金を収めているのか、などは購入条件の大きなポイントとして考慮すべきである。
たとえば、数年後に長期修繕計画を控えている物件ならば、それまでに前の所有者が長い間、多額の積立金を払ってきたことになる。所有者が変われば、その積立金の権利は新しい所有者に移行される。
つまり、そのマンションを購入する人は、少ない積立金で、数年後にはリニューアルされたマンションに住むことができる。
逆に、中には管理組合が組織されず、居住者が管理人役を務め、管理費が極端に安く、長期修繕積立金制度を設けていない、自主管理のマンションも少なからず存在するが、こうした物件は往々にして管理体制が悪く、計画性がなかったりする。
場合によっては、ゴミ出しや清掃なども住む人が交代で行なうようなマンションもある。そのようなマンションでは、貸し難いし売り難く、投資用としてお勧めできない。
実際、良いマンションでは、マンション全体の相場価格が下がっても、貸しやすい物件は家賃収入が下がる心配はなく、長期にわたり安定した不動産収入が得られるものである。
3.将来の最建築時を考えると、マンションは敷地持分が多い物件が有利だ
一概に全てがそうだと言うことは言えないが、敷地持分の多い物件のほうが、敷地持分の少ない物件より有利であると言える。
それは将来、共有持分の敷地を提供することで再建築に伴う負担費用をカバーできるし、また売る際も、敷地持分の広さは、専有面積にプラスアルファーで、セールスポイントの決め手となりえる。
広告チラシなどをみていると、ときには、敷地持分が多いのに、築年数だけで資産評価している掘り出し物件にあたることもある。
つまり更地評価より低い価格で売買されているような物件である。もちろん、敷地が広いだけでは掘り出し物とはいえないが、建築制限や用途地域などによっては再建築の際、有利に等価交換などによって、新築物件になってしまうこともあり得るのである。 ・・・次号に続く
2005年02月20日
個別相談会
昨日、本日と「不動産投資」の個別相談会を行ないました!本来であれば、我々、コンサルタントの相談とは1万円/1時間程度の費用が掛かるのですが、セミナー参加者や当社社員の要望により、1ヶ月に1日だけ、無料にて行なうことにしていたのですが、セミナー開催も増え、1ヶ月に3日ほど行なうようになってしまいました。ここのところ、大型プロジェクトのコンサルティングが入っており、なかなか時間が取れない中、この2日間で8名の個別相談を行なったのですが、皆さん、真剣な取り組みを望んでいることから、なんとなく継続しなければならないのかなと、更に忙しくなる自分をイメージしながら考えています。今回の参加者の方が、なんと全員「これであなたも大家さん」を購読して頂いていたことに、大変驚きました。2月初旬に発売され、アマゾンでは、最近、やっと購入できるようになったばかりなのに、皆さん、購読して頂いていたのですから、たいへんありがたいことだと思います。
そういえば、【無料】出版記念講演(週刊住宅新聞社主催)が3月5日(土) に開催されます!
ご希望の方は、下記、週刊住宅新聞社へ直接お申込みください!
http://www.shukan-jutaku.com/semi/h170305fudousantoushi.pdf
※そういえば、今回、ご相談者の中には、もう少し早く当社に来ていればよかった!と言う方が2人いました。私も、それには同感です。やはり、初めての不動産投資は、専門家と相談して行なったほうが効果は断然に違います。
そういえば、【無料】出版記念講演(週刊住宅新聞社主催)が3月5日(土) に開催されます!
ご希望の方は、下記、週刊住宅新聞社へ直接お申込みください!
http://www.shukan-jutaku.com/semi/h170305fudousantoushi.pdf
※そういえば、今回、ご相談者の中には、もう少し早く当社に来ていればよかった!と言う方が2人いました。私も、それには同感です。やはり、初めての不動産投資は、専門家と相談して行なったほうが効果は断然に違います。
2005年02月19日
不動産とお金の話 4
第2章 いまから勤労所得ゼロの時に備える!
1.急に生活レベルは落とせない!
身近な人の話。
ある日、定年退職を間近に控えた公務員が「退職金3000万円の半額くらいでマンションを探してくれないか」とやってきた。
その人は年収1500万円もありながら、家賃3万5000円の公務員住宅に住んでいた。さぞかし株や債権などの金融資産を貯めこんでいるんだろうと予測されたが、意外にも、主な財産といえば銀行貯金が500万円あるだけだった。
退職したら公務員住宅を出なければならなくなり、自宅の近隣に次の住いを探しにきたわけだが、その公務員住宅は3LDK、その辺りの家賃相場を調べてみると、同程度の賃貸住宅では12万円は下らない。
同じレベルの分譲マンションを、退職金の半分、つまり1500万円で探すのはとても無理な話。
また退職間近であるから、新たに住宅ローンを借りることもできず、散々、1500万円で購入できるマンションを探してみたが、公務員住宅よりレベルは低い。結局、その人の家族は、一旦は近くに家賃12万円の賃貸マンションを探し、そこに住むことになったが、ほんの1年程度で田舎に引っ越してしまった。
この定年退職者の話を持ち出したのは、社宅住まいの危険性を訴えるとともに、人の生活レベルは変えられるかどうかということを考えて頂きたかったからである。
おそらく、この人は生活プランといったものにまったく無頓着な人生を過ごしてきただろうと推測できる。退職して勤労所得がゼロになったのに家賃が3万5000円から一挙に12万円に跳ね上がった。これまでの生活レベルを推し測ると、年収に比べ、財産がなく貯金額が少ないことから、かなり贅沢で派手な生活をしてきたと、察せら
れる。ところが、これからは、家賃だけ見ても、退職前より、毎月6万5000円持ち出
しとなり、これまでの生活レベルを維持していくには、退職金を切り崩していくか、さもなければ夫婦で共稼ぎしなければならない。どう楽観的に考えても、だれしもが退職後に望む、「これからの老後はのんびりと悠々自適に暮らしていける」ことにはなりそうにもない。
もともと、年収が300万円以下の低水準で暮らしていた家庭ならともかく、ハイクラスの生活レベルを続けてきた家庭では勤労所得がなくなったからと言っても、長年続けてきた生活レベルをそう簡単に落とせるものではない。この人ぐらいの年収があったら、もっと早く自分の家を持つべきだったし、でなければ、家賃分ぐらいの不労所得が入るようなアパート経営など、ライフプランを立てるべきだった。
先に述べたが、自分の住む家を買うことは不動産投資であり、その家に自分が住まなくなっても人に貸し、家賃収入を得ても良い。また自宅を担保に、より資産価値の高い物件に再投資する原資にもなる。
年収1500万円の人が貰った3000万円の退職金は、生活レベルを落とさない限り、2年で枯渇することを考えておかなければならない。
・・・次号に続く
1.急に生活レベルは落とせない!
身近な人の話。
ある日、定年退職を間近に控えた公務員が「退職金3000万円の半額くらいでマンションを探してくれないか」とやってきた。
その人は年収1500万円もありながら、家賃3万5000円の公務員住宅に住んでいた。さぞかし株や債権などの金融資産を貯めこんでいるんだろうと予測されたが、意外にも、主な財産といえば銀行貯金が500万円あるだけだった。
退職したら公務員住宅を出なければならなくなり、自宅の近隣に次の住いを探しにきたわけだが、その公務員住宅は3LDK、その辺りの家賃相場を調べてみると、同程度の賃貸住宅では12万円は下らない。
同じレベルの分譲マンションを、退職金の半分、つまり1500万円で探すのはとても無理な話。
また退職間近であるから、新たに住宅ローンを借りることもできず、散々、1500万円で購入できるマンションを探してみたが、公務員住宅よりレベルは低い。結局、その人の家族は、一旦は近くに家賃12万円の賃貸マンションを探し、そこに住むことになったが、ほんの1年程度で田舎に引っ越してしまった。
この定年退職者の話を持ち出したのは、社宅住まいの危険性を訴えるとともに、人の生活レベルは変えられるかどうかということを考えて頂きたかったからである。
おそらく、この人は生活プランといったものにまったく無頓着な人生を過ごしてきただろうと推測できる。退職して勤労所得がゼロになったのに家賃が3万5000円から一挙に12万円に跳ね上がった。これまでの生活レベルを推し測ると、年収に比べ、財産がなく貯金額が少ないことから、かなり贅沢で派手な生活をしてきたと、察せら
れる。ところが、これからは、家賃だけ見ても、退職前より、毎月6万5000円持ち出
しとなり、これまでの生活レベルを維持していくには、退職金を切り崩していくか、さもなければ夫婦で共稼ぎしなければならない。どう楽観的に考えても、だれしもが退職後に望む、「これからの老後はのんびりと悠々自適に暮らしていける」ことにはなりそうにもない。
もともと、年収が300万円以下の低水準で暮らしていた家庭ならともかく、ハイクラスの生活レベルを続けてきた家庭では勤労所得がなくなったからと言っても、長年続けてきた生活レベルをそう簡単に落とせるものではない。この人ぐらいの年収があったら、もっと早く自分の家を持つべきだったし、でなければ、家賃分ぐらいの不労所得が入るようなアパート経営など、ライフプランを立てるべきだった。
先に述べたが、自分の住む家を買うことは不動産投資であり、その家に自分が住まなくなっても人に貸し、家賃収入を得ても良い。また自宅を担保に、より資産価値の高い物件に再投資する原資にもなる。
年収1500万円の人が貰った3000万円の退職金は、生活レベルを落とさない限り、2年で枯渇することを考えておかなければならない。
・・・次号に続く
2005年02月16日
不動産とお金の話 3
第1章 まず、居住用不動産は、借りるより買うこと!
自宅の次は、資産をつくり、資産に稼がせる
不動産投資の第一歩は「(支払い)家賃内を目安に自分の家を買う」こと、とは前述のとおりである。自分の家を持てば、将来、銀行ローンの借入金を全額返済してしまえば、生活費の多くを占める居住費が大幅に圧縮される。この居住費を圧縮し、支出を減らすことも、不動産投資の一つである。
また、住宅ローンの返済金額には、金利分と元金分があり元金分はそのマンションの価格が下がらないという前提であれば預貯金と一緒である。つまり、その住居が資産となり、将来の原資(担保力)となり、再投資という次のステップへ導いてくれることになる。購入時点では、当然、元金の返済分は僅かであるが、慌てる必要はない。もともと賃料程度のローン返済額なのであるから、家賃と思って支払いつつ、長い目で捉え、預金を増やすとともに、次の物件購入のチャンスを待てばよい。
必ず、ローリスクでハイリターンを見込める投資のチャンスがやってくる。
私のサラリーマン時代は、一定の(給料による)現金預金ができると、買ったマンションを担保にして、投資用のマンションを買いたしてきた。投資リターンを確実にするために、多彩な角度から不動産投資の勉強をし、あわせて不動産コンサルタントとしての実践を重ねてきたことはいうまでもない。不動産投資を意識し始めた段階で、プロの目で物件(事業用含め)を見られるようになっていたと自負している。
ただ、サラリーマン時代には「投資用マンションを買う」というと、銀行はすぐにお金を貸してくれたが、約5年前に独立した途端、手のひらを返したように銀行の融資審査が厳しくなってしまった。つまり不動産コンサルタント業務も不動産業であり、不動産業者の代表者とは、まったく信用がないのである。
考えてみれば、サラリーマンの強さは定期収入や会社の信用力を活用できるところにある。
不思議な話かもしれないが、不動産のプロの私よりも、読者の皆さんのほうが銀行から見た場合、信用力は高いのである。
私個人の資産は、その殆どがサラリーマン時代に購入したものである。独立してからは、東京都内の奥多摩というところに14,000坪の山林を購入したり、よせばよいのに那須の別荘地を購入したり、将来の余暇を過ごせるように長崎の九十九島のうちの島の一部を購入したりと、これらは賃料を生まないので現金で購入した。
また、その他では貸家を二件ほど購入した程度で、さほど資産は増えていない。
しかし過去において賃料相場を的確にとらえ、家賃枠で買える物件を目安に、居住用不動産を中心に買い続けてきた結果、勤労所得がゼロになっても人並み以上に生活できるほど、毎月安定して不労所得が入ってきている。
いわば、現在は、資産が(家賃収入)資産を生んでいる状況にある。
ところで、バブル期に、投資用のワンルームマンションが売れに売れていたが、その多くはキャピタルゲイン(値上がり譲渡益)を狙い、また、節税効果が目的だった事を忘れてはならない。
投資用マンションを買えば、放っておいても値上がりはしたし、おまけに、その経費や減価償却費、そしてローンの支払い金利を合算した所得から経費として落すことができた。
つまり、サラリーマンにしろ事業者にしろ、本業でプラスになって支払った税金が戻ってきたのである。(現在は、建物の分の金利しか損金参入できない)
いずれにしても、運用益、つまり投資リターン(インカムゲイン)を狙ったものではなく、誰がみても不動産投資とはいえなかった。
バブルが弾けた後にこんなことがあった。
ある税理士さんの依頼で、ワンルームマンションを買ってくれないかと言う話がきた。その物件は、新宿・都庁から歩いて1、2分の場所で立地条件はよかったが、私は収益還元価格から逆算し、「家賃は68,000円しかとれないので、800万円なら買う」ことにした。
結局、その金額で取引は成立したが、売主である都内で開業する歯医者さんに、代金決済の際、購入価格を聞いてみると、「このマンションは6,800万円でした。業者に所得税を圧縮できるからと言われて、銀行から借金して同じ物件を三つも買ってしまった。」と、マンション業者に騙されたといった表情で話していた。
無理もない。6,800万円で買ったものが、800万円でしか売れないとなると、6,000万円の損失である。それが三つ(すでに処分)もあるというから、単純に計算すると、計1億8,000万円の大損失を被った事になる。現在、その歯医者さんは、かわいそうに職業柄、破産することもできずに、銀行からの借金1億8,000万円を、事業収入から毎月返済している具合だ。私から言わせれば、この節税効果をねらった不動産投資というのはまったく邪道だ。一番大事な投資に対するリターンを無視し、マンション代は経費で落とせるから、といった安易な節税対策のみに終始した考え方が経済原則の理
に適うはずがない。
また、税金は支払った以上に返ってこないことを知るべきである。
社会・経済状況の変化で物件価格がダウンするのは仕方がないとしても、「家賃(収入)で払えない借金はしない」この不動産投資の基本さえ分かっていれば、このような大ヤケドはしないはずだ。
言うまでもないことだが、投資性を度外視してまで本当に欲しい物件があったら、できるだけ自己資金比率を高めて(借金をできるだけ少なく)購入すべきである。
私のように、たまたま山林がほしいと思ったときは、賃料が入ってこないのであるから、現金を用意して購入するべきである。
4.住宅ローンは団体信用生命保険(団信)付き
私は、住宅ローンとセットになっている「団体信用生命保険」(略称・団信)という、おそらく日本独自の保険には大いに感心し、感謝しながら利用している。
住宅金融公庫などの場合は、この団体信用生命保険の保険料は自ら負担するのであるが、かなり格安であり、一般の金融機関であれば、金利にその保険料が含まれており、加入者自身が支払う必要がない。
私は現在、不動産投資のために、複数の金融機関から4億円以上の借入れしているが、保険と言えば、貯蓄型の3,500万円の生命保険しか掛けていない。
「それじゃ、あなたが死んだら、資産はすべて借金の肩代わりに取られて、奥さんや家族がかわいそう!」という声が聞こえてきそうだが、その心配は御無用。投資した物件は「団信」付きなのだ。
私が死んだら、その保険で投資のために借りた借金(団信付じゃないのを外しても2億円以上)がすべてチャラになり、資産は返済半ばで奥さんや家族のものとなる。
却って、大喜び?ってこともありうる。なにより「団信」のいい所は、借り入れした金融機関へ支払う金利の中から、その保険料(二億円の生命保険の険料なら月々何10万円!?)を負担してくれ、借金した本人は一銭も負担がない。自分が住む家を買うにしても不動産投資物件を買うにしても、この日本独自の仕組みは大きな味方になっている。
この団信を利用しないで、賃貸住宅に住んだまま定年を迎える手はない!
・・・次号に続く
自宅の次は、資産をつくり、資産に稼がせる
不動産投資の第一歩は「(支払い)家賃内を目安に自分の家を買う」こと、とは前述のとおりである。自分の家を持てば、将来、銀行ローンの借入金を全額返済してしまえば、生活費の多くを占める居住費が大幅に圧縮される。この居住費を圧縮し、支出を減らすことも、不動産投資の一つである。
また、住宅ローンの返済金額には、金利分と元金分があり元金分はそのマンションの価格が下がらないという前提であれば預貯金と一緒である。つまり、その住居が資産となり、将来の原資(担保力)となり、再投資という次のステップへ導いてくれることになる。購入時点では、当然、元金の返済分は僅かであるが、慌てる必要はない。もともと賃料程度のローン返済額なのであるから、家賃と思って支払いつつ、長い目で捉え、預金を増やすとともに、次の物件購入のチャンスを待てばよい。
必ず、ローリスクでハイリターンを見込める投資のチャンスがやってくる。
私のサラリーマン時代は、一定の(給料による)現金預金ができると、買ったマンションを担保にして、投資用のマンションを買いたしてきた。投資リターンを確実にするために、多彩な角度から不動産投資の勉強をし、あわせて不動産コンサルタントとしての実践を重ねてきたことはいうまでもない。不動産投資を意識し始めた段階で、プロの目で物件(事業用含め)を見られるようになっていたと自負している。
ただ、サラリーマン時代には「投資用マンションを買う」というと、銀行はすぐにお金を貸してくれたが、約5年前に独立した途端、手のひらを返したように銀行の融資審査が厳しくなってしまった。つまり不動産コンサルタント業務も不動産業であり、不動産業者の代表者とは、まったく信用がないのである。
考えてみれば、サラリーマンの強さは定期収入や会社の信用力を活用できるところにある。
不思議な話かもしれないが、不動産のプロの私よりも、読者の皆さんのほうが銀行から見た場合、信用力は高いのである。
私個人の資産は、その殆どがサラリーマン時代に購入したものである。独立してからは、東京都内の奥多摩というところに14,000坪の山林を購入したり、よせばよいのに那須の別荘地を購入したり、将来の余暇を過ごせるように長崎の九十九島のうちの島の一部を購入したりと、これらは賃料を生まないので現金で購入した。
また、その他では貸家を二件ほど購入した程度で、さほど資産は増えていない。
しかし過去において賃料相場を的確にとらえ、家賃枠で買える物件を目安に、居住用不動産を中心に買い続けてきた結果、勤労所得がゼロになっても人並み以上に生活できるほど、毎月安定して不労所得が入ってきている。
いわば、現在は、資産が(家賃収入)資産を生んでいる状況にある。
ところで、バブル期に、投資用のワンルームマンションが売れに売れていたが、その多くはキャピタルゲイン(値上がり譲渡益)を狙い、また、節税効果が目的だった事を忘れてはならない。
投資用マンションを買えば、放っておいても値上がりはしたし、おまけに、その経費や減価償却費、そしてローンの支払い金利を合算した所得から経費として落すことができた。
つまり、サラリーマンにしろ事業者にしろ、本業でプラスになって支払った税金が戻ってきたのである。(現在は、建物の分の金利しか損金参入できない)
いずれにしても、運用益、つまり投資リターン(インカムゲイン)を狙ったものではなく、誰がみても不動産投資とはいえなかった。
バブルが弾けた後にこんなことがあった。
ある税理士さんの依頼で、ワンルームマンションを買ってくれないかと言う話がきた。その物件は、新宿・都庁から歩いて1、2分の場所で立地条件はよかったが、私は収益還元価格から逆算し、「家賃は68,000円しかとれないので、800万円なら買う」ことにした。
結局、その金額で取引は成立したが、売主である都内で開業する歯医者さんに、代金決済の際、購入価格を聞いてみると、「このマンションは6,800万円でした。業者に所得税を圧縮できるからと言われて、銀行から借金して同じ物件を三つも買ってしまった。」と、マンション業者に騙されたといった表情で話していた。
無理もない。6,800万円で買ったものが、800万円でしか売れないとなると、6,000万円の損失である。それが三つ(すでに処分)もあるというから、単純に計算すると、計1億8,000万円の大損失を被った事になる。現在、その歯医者さんは、かわいそうに職業柄、破産することもできずに、銀行からの借金1億8,000万円を、事業収入から毎月返済している具合だ。私から言わせれば、この節税効果をねらった不動産投資というのはまったく邪道だ。一番大事な投資に対するリターンを無視し、マンション代は経費で落とせるから、といった安易な節税対策のみに終始した考え方が経済原則の理
に適うはずがない。
また、税金は支払った以上に返ってこないことを知るべきである。
社会・経済状況の変化で物件価格がダウンするのは仕方がないとしても、「家賃(収入)で払えない借金はしない」この不動産投資の基本さえ分かっていれば、このような大ヤケドはしないはずだ。
言うまでもないことだが、投資性を度外視してまで本当に欲しい物件があったら、できるだけ自己資金比率を高めて(借金をできるだけ少なく)購入すべきである。
私のように、たまたま山林がほしいと思ったときは、賃料が入ってこないのであるから、現金を用意して購入するべきである。
4.住宅ローンは団体信用生命保険(団信)付き
私は、住宅ローンとセットになっている「団体信用生命保険」(略称・団信)という、おそらく日本独自の保険には大いに感心し、感謝しながら利用している。
住宅金融公庫などの場合は、この団体信用生命保険の保険料は自ら負担するのであるが、かなり格安であり、一般の金融機関であれば、金利にその保険料が含まれており、加入者自身が支払う必要がない。
私は現在、不動産投資のために、複数の金融機関から4億円以上の借入れしているが、保険と言えば、貯蓄型の3,500万円の生命保険しか掛けていない。
「それじゃ、あなたが死んだら、資産はすべて借金の肩代わりに取られて、奥さんや家族がかわいそう!」という声が聞こえてきそうだが、その心配は御無用。投資した物件は「団信」付きなのだ。
私が死んだら、その保険で投資のために借りた借金(団信付じゃないのを外しても2億円以上)がすべてチャラになり、資産は返済半ばで奥さんや家族のものとなる。
却って、大喜び?ってこともありうる。なにより「団信」のいい所は、借り入れした金融機関へ支払う金利の中から、その保険料(二億円の生命保険の険料なら月々何10万円!?)を負担してくれ、借金した本人は一銭も負担がない。自分が住む家を買うにしても不動産投資物件を買うにしても、この日本独自の仕組みは大きな味方になっている。
この団信を利用しないで、賃貸住宅に住んだまま定年を迎える手はない!
・・・次号に続く
2005年02月09日
不動産とお金の話 その2
第1章 まず、居住用不動産は、借りるより買うこと!
3.銀行ローン返済分のうち、元金返済分は資本的支出
私は、前記のマンションを売った利益はそのまま銀行へ預金した。
新しい住居はあらためて、その銀行と家賃枠内で支払えるローンを組み、利便性の良さが売り物の3LDKマンションを購入した。ここが結構重要なところであるが、当初、賃料で支払える範囲内の物件を購入したのであるから、仮に、その初めて購入したマンションが、買い替えをしようとしたとき、売りに出しても売れ残ったり(当初は2年足らずで売る気はなかった)、あるいはローン返済途中に引越しを余儀なくされたとしても、人に貸せばいいのである。
下記図を見ていただきたい。
元利均等返済方式の仕組み・元金均等返済方式の仕組み
(図⇒ http://www.cfnets.jp/mail_fig/mail36sheet1.htm )
元利均等返済方式の銀行ローンの場合、返済表はこのようになる。
当初は、返済金額のうち利息の返済額が多く、段々、元金の返済比率が高くなる。金利が低くなれば、当然、返済金額は減り、返済年数が長くなれば返済金額も減ることになる。よく、借金を早めに返済してしまうために返済年数を縮めようとする人がい
るが、私は、どちらかというと返済金額を中心に考え、返せる金額に応じて返済年数を決めたほうがよいように考えている。仮に、家賃が10万円取れるマンションを自分が買うときには、管理費等を15,000円とすれば、毎月の返済金額は85,000円となる。金利を2.5%とすると20年返済では約1,600万円の借入金に匹敵するし、30年
返済では、約2,150万円の借り入れとなる。当然、20年返済のほうが早く返済ができるからリスクは低いように思うかもしれないが、グレードの面で長期安定収益が見込めるような物件で、かつ収支が十分見合うようであれば、30年返済で計画したほうがリスクは低いとも言える。
ここで強調したいことは、借家住いの人なら、なにはともあれ、家賃枠内のローン返済額で買える家を探して買うべきであるということ。とくに長期ローンが可能な若い人には声を大にして、そう言いたい。
たとえば、ここに1,750万円のマンションが売りに出されたとしよう(立地がよく、賃料相場では12万円)。20代の人が35年銀行融資ローンを組むと、月々均等の返済額は60,700円である。10万円の家賃だと思って住んでいても毎月4万円近くバランスシートがプラスになる。それが20年ローンしか組めない人なら、96,000円に跳ね上がってしまう。しかし、この物件をはじめから投資目的で賃貸にしたら、35年ローンでも20年ローンでも採算的には合う。
しかし、ここで注意しておきたい。
家賃の枠内であれば、どんな物件でも買いチャンスということではない。5年先、10年先の売り値を考えて、購入額を吟味することが肝心である。仮に、買い値が3,000万円、ローン返済額がボーナス払い含めて年間130万円だったとする。その人が5年後に転勤でその家を売らなければならなくなった場合(良くあるケースだ)、もし売り値が1,500万円の半値になっていたらどうだろう。値下がりした1,500万円と5年間のローン返済額650万円の合計2,150万円が損となる。
もちろん厳密に言えば5年間の元金返済分は損とはならないにしても、高が知れた金額である。
しかし、購入価格が1,500万円だったらどうだろう。(値上がりを期待した分)満足はしないが、ローン返済金額を支払い家賃と考えれば、納得できることになる。 要するに、買い値と売り値を考えるということは、儲けようというより損しないという考え方で、そこからリスクの少ない不動産投資が展開していくことになる。
そこで、下記図 (賃料と返済金の関係)
(図⇒ http://www.cfnets.jp/mail_fig/mail36sheet1.htm )
を参考に銀行ローン返済と、賃料の違いを見てほしい。
縦軸が返済額、横軸が返済期間とし、ローンの利息部分の支出は負債だが、元金の部分は資本的支出。つまり、賃料10万円(同額のローンを組み、金利2.375%の場合)は、それぞれ、35年ローンで2,850万円、25年で2,260万円、20年で1,900万円の返済に匹敵する。繰り返すが、家賃のつもりで返済する、ローン支払いの元金は資産で資産増へ、一方、賃料は永遠の支出すなわち負債増ということになるのである。
次回は、そのうちに
※急いで先を知りたい方は http://www.cfnets.co.jp/cfseminer/seminer_index.htm
また、不動産投資講座の初級が始まります。まだ間に合いますので、ご希望の方も
http://www.cfnets.co.jp/cfseminer/seminer_index.htm
3.銀行ローン返済分のうち、元金返済分は資本的支出
私は、前記のマンションを売った利益はそのまま銀行へ預金した。
新しい住居はあらためて、その銀行と家賃枠内で支払えるローンを組み、利便性の良さが売り物の3LDKマンションを購入した。ここが結構重要なところであるが、当初、賃料で支払える範囲内の物件を購入したのであるから、仮に、その初めて購入したマンションが、買い替えをしようとしたとき、売りに出しても売れ残ったり(当初は2年足らずで売る気はなかった)、あるいはローン返済途中に引越しを余儀なくされたとしても、人に貸せばいいのである。
下記図を見ていただきたい。
元利均等返済方式の仕組み・元金均等返済方式の仕組み
(図⇒ http://www.cfnets.jp/mail_fig/mail36sheet1.htm )
元利均等返済方式の銀行ローンの場合、返済表はこのようになる。
当初は、返済金額のうち利息の返済額が多く、段々、元金の返済比率が高くなる。金利が低くなれば、当然、返済金額は減り、返済年数が長くなれば返済金額も減ることになる。よく、借金を早めに返済してしまうために返済年数を縮めようとする人がい
るが、私は、どちらかというと返済金額を中心に考え、返せる金額に応じて返済年数を決めたほうがよいように考えている。仮に、家賃が10万円取れるマンションを自分が買うときには、管理費等を15,000円とすれば、毎月の返済金額は85,000円となる。金利を2.5%とすると20年返済では約1,600万円の借入金に匹敵するし、30年
返済では、約2,150万円の借り入れとなる。当然、20年返済のほうが早く返済ができるからリスクは低いように思うかもしれないが、グレードの面で長期安定収益が見込めるような物件で、かつ収支が十分見合うようであれば、30年返済で計画したほうがリスクは低いとも言える。
ここで強調したいことは、借家住いの人なら、なにはともあれ、家賃枠内のローン返済額で買える家を探して買うべきであるということ。とくに長期ローンが可能な若い人には声を大にして、そう言いたい。
たとえば、ここに1,750万円のマンションが売りに出されたとしよう(立地がよく、賃料相場では12万円)。20代の人が35年銀行融資ローンを組むと、月々均等の返済額は60,700円である。10万円の家賃だと思って住んでいても毎月4万円近くバランスシートがプラスになる。それが20年ローンしか組めない人なら、96,000円に跳ね上がってしまう。しかし、この物件をはじめから投資目的で賃貸にしたら、35年ローンでも20年ローンでも採算的には合う。
しかし、ここで注意しておきたい。
家賃の枠内であれば、どんな物件でも買いチャンスということではない。5年先、10年先の売り値を考えて、購入額を吟味することが肝心である。仮に、買い値が3,000万円、ローン返済額がボーナス払い含めて年間130万円だったとする。その人が5年後に転勤でその家を売らなければならなくなった場合(良くあるケースだ)、もし売り値が1,500万円の半値になっていたらどうだろう。値下がりした1,500万円と5年間のローン返済額650万円の合計2,150万円が損となる。
もちろん厳密に言えば5年間の元金返済分は損とはならないにしても、高が知れた金額である。
しかし、購入価格が1,500万円だったらどうだろう。(値上がりを期待した分)満足はしないが、ローン返済金額を支払い家賃と考えれば、納得できることになる。 要するに、買い値と売り値を考えるということは、儲けようというより損しないという考え方で、そこからリスクの少ない不動産投資が展開していくことになる。
そこで、下記図 (賃料と返済金の関係)
(図⇒ http://www.cfnets.jp/mail_fig/mail36sheet1.htm )
を参考に銀行ローン返済と、賃料の違いを見てほしい。
縦軸が返済額、横軸が返済期間とし、ローンの利息部分の支出は負債だが、元金の部分は資本的支出。つまり、賃料10万円(同額のローンを組み、金利2.375%の場合)は、それぞれ、35年ローンで2,850万円、25年で2,260万円、20年で1,900万円の返済に匹敵する。繰り返すが、家賃のつもりで返済する、ローン支払いの元金は資産で資産増へ、一方、賃料は永遠の支出すなわち負債増ということになるのである。
次回は、そのうちに
※急いで先を知りたい方は http://www.cfnets.co.jp/cfseminer/seminer_index.htm
また、不動産投資講座の初級が始まります。まだ間に合いますので、ご希望の方も
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