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2005年05月24日

不動産コンサルタント始末記 7

85ea8332.jpg第7話 現地調査

「私、廣瀬吉正と申します。」
倉橋から紹介されて、廣瀬は、吉田の両親と吉田に向けて、名刺を差し出した。
「今回の件は、私が担当させて頂きます。」
廣瀬は、CFネッツの賃貸管理部門を担当している。
倉橋が前職で勤めていた会社でも、倉橋の部下として賃貸管理部門を行っていたから、ベテランの域に達している。倉橋が、本件を廣瀬に担当させようと考えたのは、廣瀬が得意とする強制執行が伴なう明渡訴訟に発展する可能性が強いと察知したからである。
「この男は、自殺死体の処理している最中、ハンバーガーを食べながら報告してくるような奴です。」
倉橋が、廣瀬のキャラクターを吉田と両親に告げた。
「ちょっとやそっとでは、動じない奴ですから、安心して任せてください。」
吉田も、吉田の両親も、不気味なものを見るような目つきで廣瀬に挨拶し、廣瀬は、無気味な目で、にこっと笑った。

その日、倉橋と廣瀬は、吉田の所有するマンションを訪れた。

通常、このように入居者が分からないような場合、入居者を早急に確定する必要がある。
また、その入居者の占有理由も明確にしなければならない。
つまり、賃料を支払って賃借して占有しているのか、賃料を支払わず使用貸借で占有しているのか、あるいは全く不当に不法占有しているのかを明確にしなければ次の手は打てない。
このような場合、占有している本人から事情聴取して証拠を固めるようにするのが鉄則である。

「スイッチは、大丈夫か。」
倉橋が廣瀬に録音機のスイッチを確認させた。
「大丈夫です。」
廣瀬は、ジャケットの内ポケットに秘めた小型のテープレコーダーのスイッチを確認して言った。
「行きますか。」
マンションのインターホンを廣瀬が押した。
「はい。」ぶっきらぼうにインターホンで答えた声は、意外にも若かった。
「何でしょう。」
「恐れ入ります。私、廣瀬と申しまして、このマンション所有者の代理のもの
です。」
廣瀬が慇懃にインターホン口に語りかけた。
「いろいろと事情をお聞きしたいと思いまして。」
間もなく、髪を茶色く染めた高校生らしい女性がマンションの扉を開けた。
「いま、お母さん、出かけていていません。」
嘘ではなさそうな口調で彼女は言った。
「ごめんなさいね。ちょっと教えてもらえる。」
倉橋が、廣瀬に代わって彼女に尋ねた。
「表札が貼ってないけど、お名前はなんていうの。」
「前田。前田はじめ。」
「あ、そう。お母さんは。」
事情聴取の際は、淡々と聞きたい内容を聞き出すようにするのがポイントである。
人間、心理的には、聞かれたことには答えなければならないという、妙な義務感のような心理が生じるものである。
「前田京子。」
「二人で住んでるの。」
「はい。」
「お母さんは、何しているの。」
 
「何ですか。」倉橋が、その高校生に事情を聞き出していると、後ろから声をかけられた。
明らかに水商売風の女性であった。
「何か、御用ですか。」
「前田京子さんですか。」倉橋は彼女に聞き、続けた。
「私、このマンション所有者から依頼されて参りました、コンサルタントの倉橋といいます。そして彼は、私の部下の廣瀬といいます。」
倉橋と廣瀬は名刺を差し出した。
「ああ、そうなんですか。」彼女は、ちょっと気まずい口調で言った。
「そのうち、誰かがくるんじゃないかって、思ってました。」
「ところで、ここは誰から借りて住んでいるんですか。」倉橋は、率直に聞いた。
「権藤からですか。」
「ええ、でも、権藤さんからは、次の人が決まるまで、住んでいてもいいって言われてました。」
少し、おどおどした口調で答えた。
「賃料はいくらでした。」
倉橋も廣瀬も、瞬間、賃料を払ってなければ厄介だな、と思った。
「こちらは、15万円と聞いているんですけど。」
「ええっ、そんな筈はありません。」彼女は驚いた様子で言った。
倉橋も廣瀬も、このマンションが15万円で貸せる代物とは思っておらず、どうせ権藤が吉田の口座に15万円ずつ偽装して支払っていたのではないかと考えていた。
「最初の約束では、8万円だったと思います。」
「最初の約束って言いますと。」倉橋は、その言葉を聞き逃さなかった。
「いまは、いくらなんですか。」
「最初、2回くらい権藤さんが見えて、8万円ずつ支払いました。」
俯きながら彼女は、恐る恐る話し出した。
「ただ、その後、権藤さんが、ちょくちょく家に泊まるようになって。」
倉橋も廣瀬も、耳を疑った。
「その後は、家賃、払っていません。 .......すいません。」

吉田が所有するマンションの廊下で、そのマンションに住んでいる水商売風の女性から事情聴取しながら、倉橋は、大まかな今回の事件の流れを掴むことができた。
 
廣瀬は、その女性の豊満な胸の谷間を眺め、権藤とこの女性の情事を想像したのか、にたっと不気味に笑った。

・・・続きは、また、お届け致します!

■■■■■■■横浜講演決定!『アッと驚く不動産投資2005初級編』■■■■■■■■

ここ最近東京都内で行われておりました、CFネッツの不動産投資セミナーを地元横浜で開催する運びとなりました!
横浜にお住まいの投資家のみなさま、これから投資を始めようとお考えのみなさま、この機会にぜひご参加ください!

▼初級編
【日時】  平成17年6月26日(日) 講 演:13:30〜16:30
懇親会:17:00〜 (※別途費用)

【会場】  東京ガス横浜ショールーム
【受講料】 6,000円

●詳細&申込↓
http://www.cfnets.co.jp/cfseminer/s_syousai/0625syokyu.htm

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【筆者のプロフィール】
1958年生まれ。CFネッツ代表取締役兼CFネッツグループ最高責任者であり、グループ企業十数社を率いる現役の実業家。20社を超える起業に携わり、複数の事業再生案件も成功させている。
また、自ら渡米して国際ライセンスのCPM(Certified Property Manager)を日本人で初めて取得しており、現IREN−JAPANの創生に携わり、2002年の会長に就任している。また、1993年(平成5年)には日本で初めてPMマニュアル「賃貸住宅仲介・管理の戦略・戦術と業務マニュアル」(環境企画)を執筆。当時は、まだ賃貸管理業務が体系化されていなかった時代に、契約書式や業務フローの効率化を発表。その後も3冊の業界向けマニュアル本を出版したことでプロパティマネジメントのエキスパートとして活躍し、日本全国で業界団体の講演などの活動が始まった。
1998年「賃貸トラブル110番」(にじゅういち出版)を出版。北野たけしさんの番組「ここが変だよ日本人」に出演し、その後、バラエティ番組にタレントとしても活動する。
2000年に日本で初めての不動産コンサルタント会社CFネッツを創業。不動産コンサルティング業界の第一人者であり、いまだグループ企業の創生を続けている。
不動産投資から不動産全般の法律問題、相続対策、建築コンサルティング等や、不動産業者向けの経営コンサルティングやシステム開発にも携わり、抜群の成果を誇る経営コンサルタントとしても活躍中。さらに執筆活動やテレビ、ラジオにも多数出演し、日本全国で講演なども行っている。
また、不動産投資家としても著名であり、2000年には日本で初めての不動産投資の著書「プロが教えるアッと驚く不動産投資」(住宅新報社刊)を出版し、「不動産投資成功の方程式」(朝日新聞出版社刊)など多くの著書も上梓している。
また澤田痴陶人の美術収集家でも知られ、澤田痴陶人美術館も所有運営し、「城ヶ島遊ヶ崎リゾート」「三崎港蔵」「六本木 遊ヶ崎」「三崎港ラーメン」「伊万里ちゃんぽん」などの飲食店の経営やプロデュースする美食家としても知られ、プロデュースした店舗がミシュランガイドに2店舗が掲載されている。
またユーチューブを活用したオンラインセミナーやCFネッツで行われている朝礼なども公開しており、多くのファンが存在する。
テレビ出演では「ここが変だよ日本人」「ジェネレーションジャングル」「ワールドビジネスサテライト」「ジョブチューン」「大人の歩き方」「ここが知りたい不動産」などに出演し、ラジオではFMヨコハマ「ここが知りたい不動産」にレギュラー出演している。  著書には「賃貸トラブル110番」「やっぱり不動産投資が一番」「不動産投資、成功の方程式」「お金に困らない人生設計」「損しない相続 遺言・相続税の正しい知識」「プロが教えるアッと驚く不動産投資」「馬鹿に効く薬」「生島ヒロシの相続一直線」「都市農地はこう変わる」「教訓」「賃貸トラブル解決の手続きと方法」「不動産投資 新プロの流儀」ほか多数。

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1993年、「賃貸住宅仲介・管理の戦略・戦術と業務マニュアル」(環境企画)出版 その後、3冊のマニュアルを発表
1996年、社団法人 全国賃貸住宅経営協会横浜南部支部支部長に就任し、翌年、同協会の神奈川連合会の創設に伴い副会長に就任。
1998年、不動産業界に関するシンクタンクである不動産綜建研究所創設に伴い、取締役所長に就任。
1999年、総合的なウイークリー・マンスリー賃貸の運用会社である(株)月極倶楽部を創立、代表取締役に就任。
そして、ほぼ同時期に資産運用管理会社である株式会社CFネッツを創立し、代表取締役に就任する。
2001年、JREM国際CPM協会(現IREM−JAPAN) 副会長就任
2002年、JREM国際CPM協会(現IREM−JAPAN) 会長就任
2003年4月、IREM(全米不動産管理協会)より、CPM(公認不動産管理士 サーティファイド.プロパティマネージャー)の称号を取得。日本で初めての公式試験受験による取得者となる。
これまでに、株式会社南青山建築工房、株式会社日本テナントサービスなど、グループ会社18社、総社員数130名を超えるまでに成長させている。
また現在でも、不動産投資から不動産全般の法律問題、相続対策、建築コンサルティング等や、不動産業者向けの経営コンサルティングやシステム開発にも携わり、抜群の成果を誇る経営コンサルタントとしても活躍中。さらに執筆活動や日本全国で講演なども行っている。

成功への「こころ」の科学を
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炭火焼「蔵」:炭火焼き:串焼き:三崎:日本料理
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大英博物館で陶芸家として初の個展が開催された鬼才・澤田痴陶人美術館の公式ホームページ
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