成功へのこころの科学 ２２

人、物、金の支配欲は、捨てるが勝ち！

『「ひと」は「支配」を考える時に、すでに「支配」されてしまうものである。「ひと」も「もの」も、「お金」にも。』

人は地位が高くなればなるほど支配欲が強くなる動物だ。
そのために、会社組織では、係長から始まって課長、部長と、上にいけばいくほど支配欲とともに保身作用が働いて、実務能力が低下してバカになるものである。
部下を奴隷のようにつかう上司が多いけれど、「こんな会社、辞めてやる」と、いったんその部下たちから言われると、一変、そういう上司は辞められては困るから、態度を翻して、部下たちのご機嫌取りになりさがり、逆に、いつしか支配されてしまうのだ。
なぜかというと、上にいけばいくほど、実際の業務から遠ざかってしまい、一線で働く社員とは、実務能力で差がついていく。どこからか、オレはいつまでも現役だ、部下に負けるわけが無いという強がりが聞こえてきそうだが、所詮、組織内の上下関係とはそういうものである。もちろん、部下に対する支配欲を捨てきる、こころがけがあれば、そうした惨めな思いをしなくて済むのである。
会社の上司と部下の関係は男女の恋愛関係にも似ている。
男の方は、彼女を支配しようと、家では爪に火をともすような生活をしながら、彼女の前では高級車を乗り回し、高級レストランへ連れて行ったり、自分が甲斐性があるところをみせつけるもの。しかし、いざ結婚すると、すべてがあらいざらしになる。偽りが負い目となり、支配どころか、結果的に、支配される立場になるのだ。
支配欲は物についても同じ。
あれを買いたい、これが欲しい、そう思ったときには、すでにその物に支配されているのだ。
また経営者というものは、自分の会社を大きくしたい、支配したいという欲求をもっているものだが、それは、一挙に、拡大するという意識ではなく、成長させる方が賢いやり方だ。
お金も同じ論理で、お金を追っかけて、もっと欲しい、欲しいと支配欲を出せば、しっぺ返しされるのである。
支配欲だけではないが、ものごと、あまり欲をかかないでほどほどに、ムリをせず、徐々に、身の丈に合った方法で成長することが。