2009年11月02日
資産家のあなたは、狙われている(18)
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いやぁ、激務である。
昨日、大阪支社で個別相談5名。
せっかくだからと、結果を出す為に、一人ひとりの時間が、結構、長引いてしまい、またもや終電。
関西近辺の人たちに首都圏の不動産投資を説明するのに、エリアや相場などを説明するという行為に時間が掛かってしまうので、通常、1時間半の予定が2時間以上、どうしても掛かってしまうのである。
結局、最終の方は、わざわざ京都からきて頂いたので、時間は押してしまったが、方針が決まったので、結果的に良かったのだが、ほっとするのも束の間。
終電ぎりぎり。
大阪支社の吉住さんに新大阪まで特急でおくってもらい、ぎりぎりセーフ。
やばい!
明日は、名古屋で出版記念講演。
今日も、最終の打合せが午後10時頃に終わる予定だから、帰宅は深夜。
明日は早出で移動である。
しばらく掲載していなかった分のレポートをば。
では、行って来ます!
相続に付け込む、取り込み詐欺!(18)
「篠原先生、とにかく急がないと、保全手続き自体ができなくなっちゃうんじゃない」倉橋は早速、篠原弁護士に状況を説明して、事務手続きの速度を速めるように促した。「信託物件といえども、仮差押手続きとかなら、保全と同時に進行できるんじゃない」
「ええ、それは多分、それは先生の言うとおりですが、そもそも保全手続きでも損害賠償請求を受ける恐れがあるのに、それはあまりにも危険な賭けになりませんでしょうか」篠原弁護士は、困惑した表情で倉橋に言った。「山田さんが抱えるリスクを考えると、弁護士としてそこまでは提案できません」
「でもね、先生、現時点で裁判所が保全手続きに応じない状況なんだから、ポーズでも仮差押手続きをしてみれば、こちらの真意が伝わるかもしれないんじゃない」倉橋は裁判所が、本件の申し立ての内容について、あまりにも現実味のない事実であるため、担当者が責任回避の為に裁判のテーブルにのせないのではないかと踏んでいた。「多分、すでに抵当権がつけられているから、仮差押手続きを行っても受理される保証はないけど、こちらは、それくらいリスクを背負っても、事実関係を明らかにしようとしているという印象は裁判所に与えられると思うよ」
「そこまでおっしゃるなら、先生のほうで、山田さんの相続人全部の承諾を得られるようにしてもらえませんか」篠原弁護士は自らの説得では難しいと判断したのか、倉橋に山田側の説得を依頼した。
「それって、どのくらいのリスクがあるんですか」山田は、電話の向こうで倉橋に、率直に意見を求めた。
「正直、見当がつかない」倉橋も、忌憚ない意見を山田に伝えた。「どうも、5億円近い価格で売り抜こうという意図があるようだから、相手方は、仮差押が成立した時点で売買ができなくなり、2割程度の損害金、つまり1億円くらいのことは言うかもしれません」
「え、でも、先生、そんなお金、うちにはありません」山田は、気弱に言った。
「仮に、相手方が損害賠償請求の事件を起こしたところで、こちらは、今度、受けて立つ側だから、今回の事実関係をちゃんと説明できれば、裁判では相手方の過失なども考慮される可能性はあると思うけどね」
「では、逆に、この手続きを行わないことによって、想定されるリスクってどのようなことですか」山田は、心配そうな、か細い声で言った。
「裁判所が本件を裁判のテーブルに乗せないまま、土地は転売されてしまう可能性があります」倉橋は、既存の裁判制度の問題を歯がゆい思いで事実を伝えた。
法律は、無知を救わない。知らないことがリスクであり、今回のような詐欺事件は、世論も手を差し延べてはくれない。
「このまま泣き寝入りでは、父も浮かばれません」山田は、肩を落としながら倉橋に言った。「もう、財産らしい財産もないに等しいわけですから、最後は破産覚悟です。先生、できる努力をしてください」
「そうですよね」思ったとおりの山田の反応に、ちょっと安心しながら倉橋は答えた。「司法だって、事実がわかれば理解してくれると思いますよ。とにかく、いまは、保全手続きに専念しましょう」
正直、倉橋も不安であった。権藤の会社や中岡不動産なら直接の相手方だが、彼らから先となれば第三者であり、仮差押手続きなどを行って、その第三者が被害を蒙れば、山田までとばっちりを受ける可能性が高い。この場合、今回の事件は不動産取引の額が大きい分、損害賠償も多額になってしまう。
このような詐欺事件の場合、騙されるのは瞬間であるが、取り返すには、たいへんな労力とリスクを伴うものである。
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この記事へのコメント
時間ぎりぎりまでの相談ありがとうございました。
ブログに少し書かせていただきました。
ヒマを見つけて覗いてみてください。