2009年11月03日
資産家のあなたは、狙われている(19)
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そういえば、5日にテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」という番組に登場する。
最近、テレビ見ましたよ!という声を聞くが、ここの所、数回、あちこちのテレビに登場している。
なかなか自分でみることは無くなってしまったが、せっかく出るならブログで告知してください!との声があったので、告知する。
この番組には、3回目の登場になるが、午後11時からの放映ですので、お時間がある方は、ぜひ、ご覧ください。
当社、PM事業部の呉山君たちも登場します!
では、行って来ます!
相続に付け込む、取り込み詐欺!(19)
「先生、大変なことになりました」こちらから篠原弁護士に電話を入れようと思っていた所、篠原弁護士から倉橋に事務所に電話がかかった。「権藤が、亡くなりました」
「しかし、面倒なことになったな」しばらく沈黙してから倉橋が言った。「ま、中岡不動産が存在するから、進行には影響ないか」
「そうですね」篠原弁護士も、倉橋の話に同調するように言った。「すでに破産してしまっていますから、こちらは粛々と事務手続きを進めるしかないですね」
倉橋は、篠原弁護士に、打合せ後の山田の意向を伝え、取りあえず急いで手続きをしてもらうように話をした。
裁判の場合、原告、被告、今回、仮処分の申し立てであるから、この場合、申立人、相手方と呼ぶが、いずれも当事者として争う。今回の場合、申立人の山田側も、相手方の1人、権藤が亡くなったとなれば事務手続きの変更に時間が掛かってしまうし、裁判所とも打合せを繰り返さなければならない。その為、篠田弁護士は、その打合せの詳細について、逐一、電子メールで全員に同報して報告してくれていた。
ただ、裁判所の窓口の扱いにも不満は募るし、転売されてしまっては、保全手続きの意味すらなくなり、裁判は長期化し、新たなリスクも発生してしまう。
「信託中の不動産の差押えについては、可能であることの確認はできましたが、実はこの土地に5億円を超える抵当権が新たに設定されてしまっています」篠原弁護士は、電子メールで山田と倉橋、そして秘書の小林に報告してきた。「詳細について、当事者である山田様のご家族に詳細を説明したいと考えますが、如何でしょうか」
「私としては、前回、倉橋様より充分な説明を受けていますし、我々は、法律的には素人です」山田は、同報の電子メールで篠原弁護士に回答した。「倉橋様、小林様に、全権限を委任してお願いしていますので、どうか存分に手続きを進めてください」
「しかし、我々、弁護士としてもリスク説明をしないまま手続きを行うことは、若干、不安を覚えます」不動産評価を超える抵当権が設定された不動産に、仮差押え手続きを行って、依頼者に負担を強いる結果となる可能性があることに抵抗を感じたのか、篠原弁護士のかなり慎重な態度が窺えた。「山田様のご家族様と、倉橋先生と同伴して打合せをさせて頂くわけにはいかないでしょうか」
「篠田先生へ 山田側も私も腹を括って、この仮差押えに臨んでいます」倉橋は篠原弁護士の弱気な態度に速度が遅れることを恐れ、作戦に出た。「あとは篠原先生がどれだけ、弁護士のプライドをかけて戦えるか、だけだと思います」
「倉橋先生へ 転売される可能性は当方も十分承知しています。本件は、利害関係人が多数存在し、法律関係が複雑です」篠原弁護士は倉橋の電子メールに明らかに不快感を持って回答した。「中岡不動産は、権藤の会社からの直接の転得者ですが、現時点では信託受益権の登記が行われています。つまり、相手方は信託を受けた者であり、さらに山田様からは、かなり離れた地位にあります。権藤の会社の財産に対して仮差押をかけるような単純な事例ではありません。さらに多岐に渡り、根抵当権、信託登記もたくさんついて、分析するのも、資料のコピーをとるのも時間がかかることをご理解下さい。私は全ての私生活を捨て、土日も事務所にでて資料を分析し、何度も法律構成を考え、何度も仮差押申立書、仮処分申立書を書き直しました。私なりにプライドをかけて全力しているつもりです」
「篠田先生の努力も分かっています。しかし我々の仕事は、結果が全てだということです」倉橋は、彼の将来性に賭けて、突き放すように返事を書いた。「我々は、今更、法律を学ぼうと思っていません。先生には、法的手続きをお願いしているのです」
これには、更に篠原弁護士は強い不快感を持ったようだが、これ以上、進行を遅らせるわけには行かないし、倉橋と山田の中では、方針が決まっていた。何より今更、篠原弁護士が山田の家族に詳細を説明することにより、家族の誰かが不安感を持って、この差押え手続きを取り下げるなどとなっては、さらに進行度合いが遅延する。
その日から篠原弁護士は、更に睡眠時間をも削って、この事件に没頭してくれた。
差押える土地は12筆に分かれており、山田側の相続人は4人である。この12筆の土地をそれぞれ区分して仮差押えを行うわけだが、この作業だけでもかなりの時間が掛かる。その上、裁判所の見解がぶれる為、いちいち裁判所に篠田弁護士は足を運んだ。
「倉橋先生、一定の条件付ですが、裁判所で、仮処分と仮差押えの申立ての受理ができることになりました」篠田弁護士から、倉橋の事務所に電話が入った。その声は年齢に相応しい明るい声だった。
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この記事へのコメント
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家賃滞納、住宅ローン破綻など、住宅を選ぶ
人はパートナーシップが大事ですね。